投稿者: COTOITOー安全

  • 片側接地配線方式と非接地配線方式の違い|病院の電気設備をやさしく解説

    手術室やICU(集中治療室)で、人工呼吸器などの医療機器(生命維持管理装置)が突然止まったら命に関わります。このような重大な事故を防ぐために、病院の重要なエリアではJIS T 1022:2023「病院電気設備の安全基準」に基づき、「非接地配線方式(アイソレーションシステム・フローティング電源)」という特別な電気の送り方が採用されています。

    詳しくは動画講座↓↓

    https://hospital-facility.mish.tv/courses/SeVuwRmh14bQOlcslEYIYHaR/sections/V8dVSuaaLIocNQk0n2LIa0b8/steps/5FCqqNQgqhFYEL1LYuvECjWO

    なぜ普通の電気方式ではダメなの?(画像上の「片側接地」)

    「片側接地配線方式」では、機器が壊れて漏電(電気が外に漏れること・地絡)が起きると、以下のことが起こります。

    • ブレーカーが作動する:電気を強制的に遮断します。
    • 医療機器がすべて停止する:命に関わる装置の電源も落ちてしまいます。

    これでは、漏電による感電は防げても、停電によって患者さんの命が危険にさらされてしまいます。

    医療機器を止めない「非接地配線方式」
    そこで病院で使われるのが「非接地配線方式」です。この方式最大のメリットは、「1ヵ所が漏電しても、ブレーカーが落ちずに機器が動き続ける」点にあります。

  • 等電位接地(EPR)とは?

    病院の手術室や心臓カテーテル室などでは、**等電位接地(EPRシステム)**という安全対策が行われています。

    その目的は、患者さんの心臓を、わずかな電流つまり電撃⚡による心室細動などのを危険から守ることです。

    等電位接地は、患者さんの周囲にある医療機器や金属部分を電気的につなぎ、金属同士の電位差を小さくする仕組みです。

    電位差は、川の高低差に例えることができます。

    川は、高低差が大きいほど水が勢いよく流れます。

    電気も同じで、電位差が大きいほど電流が流れやすくなります。

    そこで、金属部分をつないで電位差をできるだけ小さくします。

    すると、

    電位差を小さくする
    ↓
    電流を流れにくくする
    ↓
    患者さんの心臓を守る

    ということにつながります。

    JIS T 1022では、等電位接地に使用する接地分岐線の抵抗を0.1 Ω以下とすることなどが規定されています。

    ここが大事です

    「電位差を小さくして、患者さんの心臓をわずかな電流から守る。」

    これが、等電位接地の基本的な考え方です。

    動画講座はこちら↓

    https://hospital-facility.mish.tv/courses/SeVuwRmh14bQOlcslEYIYHaR/sections/V8dVSuaaLIocNQk0n2LIa0b8/steps/QKPw7nNUyc3CuOpR9ESYeNEL

  • B形・BF形・CF形の違いとは?|「フローティング」を理解すると一気にわかる装着部の分類

    「B形・BF形・CF形……何が違うの?」

    動画講座はこちら

    https://hospital-facility.mish.tv/courses/RfVJAs8jWMzjbq66olCDbupY/sections/gtOwKNjkd40kOlsbojVLkJM9/steps/P8X0yQJuhK8uVQn5ADfupeMk

    医療機器について勉強していると、このようなアルファベットが出てきます。

    特にBF形やCF形を見ると、

    「Fって何?」

    と思う人も多いのではないでしょうか。

    実は、このFが非常に重要なポイントです。

    Fは、**Floating(フローティング)**を表しています。

    そして、このフローティングの仕組みを理解すると、B形・BF形・CF形の違いがぐっとわかりやすくなります。

    まずは、図を見てみましょう。

    B形・BF形・CF形の違い

    装着部とは、簡単にいうと、

    医療機器のうち、患者さんの身体に接触する部分

    のことです。

    例えば、

    • 心電図の電極
    • 生体情報モニタのセンサー
    • 超音波プローブ
    • カテーテル

    などがあります。

    装着部は、電撃に対する保護の程度によって、主にB形・BF形・CF形に分類されます。

    ここで、特に注目してほしいのが、**BF形とCF形にある「F」**です。


    「F」はフローティングを意味する

    フローティングとは、日本語にすると「浮いている」という意味です。

    ただし、患者さんにつながる部分が、実際に宙に浮いているわけではありません(笑)。

    ここでいうフローティングとは、

    患者さんにつながる部分を、機器の他の部分から電気的に分離する考え方

    です。

    では、ここで疑問が生まれます。

    電気的に分離してしまったら、患者さんから得られた信号はどうやって機器本体へ伝えるのでしょうか?

    ここに、フローティングの面白い仕組みがあります。


    電気を直接つながずに信号を伝える?

    図の下側を見てください。

    機器本体側には、電源部や電気回路があります。

    一方、患者さんにつながる装着部は、必要な絶縁を介して機器側と分離されています。

    その際に使われる仕組みの一つが、フォトカプラなどの絶縁技術です。


    フォトカプラでは「光」を使う

    フォトカプラは、その名前のとおり、光を利用して信号を伝える部品です。

    イメージとしては、

    電気 → 光 → 電気

    という流れです。

    例えば、ある側の電気信号を光に変えます。

    その光を反対側で受け取り、再び電気信号として利用します。

    つまり、信号を伝えるために、間を電線で直接つなぐのではなく、光を利用することができるのです。

    これにより、必要な信号を伝えながら、電気的な分離を実現することができます。


    トランスでは「磁気」を利用する

    もう一つ、代表的な仕組みが**トランス(変圧器)**です。

    トランスの場合は、電気をそのまま直接渡すのではなく、磁気を利用してエネルギーを伝えます。

    イメージすると、

    電気 → 磁気 → 電気

    です。

    このように、医療機器では必要な絶縁を確保しながら、電源や信号を伝えるためのさまざまな技術が使われています。


    では、なぜフローティングが必要なの?

    患者さんには、複数の医療機器が同時に接続されることがあります。

    例えば、生体情報モニタや心電計などです。

    このとき、もし患者さんにつながる部分が機器内部の回路と単純に直接つながっていると、万が一の異常時に、患者さん側へ意図しない電流が流れる危険性(マクロショック、ミクロショック)について考えなければなりません。

    そこで重要になるのが、電気的な分離です。

    患者さんにつながる部分に適切な絶縁を設けることで、電撃に対する保護を高めています。

    このような考え方が、F形装着部を理解するうえで重要になります。

  • 病院でクラスⅠ機器が多い理由|クラスⅡ機器との違い

    講座の動画では川に例えて説明しています。↓

    https://hospital-facility.mish.tv/courses/RfVJAs8jWMzjbq66olCDbupY/sections/gtOwKNjkd40kOlsbojVLkJM9/steps/9bBArcNtlQdSHjQK0LUWlo2n

    クラスⅠ機器は、保護接地(アース)によって感電を防ぐ機器です。

    機器内部で絶縁が低下して漏れ電流が発生した場合でも、保護接地を通して電流を安全に流します。

    一方、クラスⅡ機器は、二重絶縁や強化絶縁によって、電気が外部へ漏れにくくすることで感電を防ぎます。

    つまり、

    クラスⅠ:保護接地で守る
    クラスⅡ:絶縁で守る

    という違いです。

    なぜ病院ではクラスⅠ機器が多い?

    病院では、人工呼吸器などのME機器をはじめ、多くの機器を長時間使用します。

    また、金属製の外装を持つ機器や、複数のME機器を同時に使用する場面もあります。

    そのため、万が一漏れ電流が発生した場合でも、保護接地によって電流を安全に逃がせるクラスⅠ機器が多く使用されています。

    3Pコンセントとの関係

    クラスⅠ機器は保護接地が必要なため、3Pプラグが使用される機器が多くあります。

    そのため病院では、クラスⅠ機器を安全に使用するために、3Pコンセントが重要な役割を果たしています。

    ただし、すべてのME機器がクラスⅠというわけではありません。クラスⅡ機器や、バッテリーなどの内部電源で動作する機器もあります。

    クラスⅠ機器=保護接地
    この関係を覚えておくと、病院の電気設備やME機器を理解しやすくなります。

  • 電流値によって人体にはどのような反応が起こる?

    家庭や病院で使用されている電気が人体に流れると、電流の大きさによってさまざまな反応が起こります。

    家庭や病院で使用されている電気が人体に流れると、電流の大きさによってさまざまな反応が起こります。

    日本の商用交流は50Hzまたは60Hzで、電流の向きが1秒間に何十回も入れ替わっています。

    では、電流が人体に流れると、どのくらいの大きさでどのような反応が起こるのでしょうか。

    電流値と人体の反応

    商用交流を成人男性に一定時間通電した場合の代表的な目安として、次のように考えることができます。

    約1mA:最小感知電流

    約1mAになると、「ビリビリ」と電気を感じ始めます。

    これを最小感知電流といいます。

    10~20mA:離脱限界電流

    さらに電流が大きくなると、筋肉が強く収縮し、自分の意思で手を離すことが難しくなる場合があります。

    これが離脱限界電流です。

    約100mA:心室細動の危険

    さらに大きな電流が心臓を通ると、心室細動などの重篤な不整脈を起こす危険があります。

    心室細動は、心臓が正常に血液を送り出せなくなる非常に危険な状態です。

    ミクロショックでは、さらに小さな電流でも危険

    一般的に人体の体表(皮膚)から電流が流れる場合をマクロショックといいます。

    一方、心臓に直接つながる電極やカテーテルなどを介して、心臓に電流が流れる場合はミクロショックと呼ばれます。

    ミクロショックでは、わずかな電流でも心室細動を起こす危険があるため、医療現場では特に注意が必要です。

    代表的な目安として、0.1mA程度が示されることがあります。

    電流値だけで安全とは判断できない

    ここで紹介した数値は、人体の反応を理解するための代表的な目安です。

    実際の影響は、通電時間、電流の流れる経路、接触状態、年齢や体格などによって変化します。

    そのため、「この電流なら必ず安全」と考えるのではなく、できるだけ人体に電流を流さないための安全対策が重要です。

    動画講座はこちら

    https://hospital-facility.mish.tv/

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  • 高周波電流によるジュール熱とは

    高周波電流によるジュール熱とは

    ここでは、高周波電流が熱を発生する仕組みについて学びます。

    周波数が高くなると、感電・電撃は起こりにくくなります。
    一方で、電流のエネルギーによって、熱が発生しやすくなります。

    では、細胞の中では、どのように熱が発生するのでしょうか。

    細胞の中には、ナトリウムイオンやカリウムイオンなど、電気を帯びたイオンが存在しています。

    高周波電流が流れると、交流なので、電流の向きが非常に速く入れ替わります。

    イメージとしては、プラス同士、マイナス同士は反発し、プラスとマイナスは引き合います。

    例えば、電気メスでは、500キロヘルツ以上の高周波電流が使われます。
    これは、電流の向きが1秒間に50万回以上変化するということです。

    そのため、細胞内のイオンも電流の変化によって激しく動かされます。
    その結果、電気エネルギーの一部が熱エネルギーに変わり、ジュール熱が発生します。

    つまり、高周波電流では、細胞内のイオンが高速で動かされることで、細胞に熱が発生するということです。

    電気メスは、この熱を利用して、組織を切開したり、出血を止めたりしています。

    他にも、高周波を利用した治療には、ハイパーサーミアやアブレーション治療があります。

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